この記事では、介護報酬改定(算定構造)について、厚労省から示されているQ&Aについてご紹介して参ります!
目次
令和3年3月16日付で介護保険最新情報vol934 が通知され、介護報酬の解釈通知が発表されました。
全947ページもの膨大な資料です。
◆介護保険最新情報vol934 :「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について
解釈通知とは、各サービスの基本報酬や加算の算定ルール、運営基準の見直しについて、より具体的な説明を加えられており、全ての施設・事業所が確認するべき重要な通知です。
感染症対策や新たに義務化されるBCP(業務継続計画)策定の留意点が示されたほか、委員会・シミュレーションの実施頻度なども細かく規定されており、新年度から本格的に運用されるデータベース「LIFE」に関しては、この加算(科学的介護推進体制加算)の算定にあたり、利用者の自立支援・重度化防止を目指す「サービス計画」を作るよう要請しています。
また、資料内は『新』『旧』で分かれておりますので、ご確認ください。
Q&Aは、以下の4つの介護保険最新情報にて発表されました。
それぞれで発表されたQ&Aについて、一部をピックアップしながらご説明させていただきます。
令和 3 年3月 19 日に厚生労働省より各自治体に向けて、介護保険最新情報のVol.941を発表し、この中で全25問の問いに返答しています。
また、次いで23日に同じく介護保険最新情報のVol.948を発表し、この中で全44問の問いに返答しています。
◆介護保険最新情報Vol.941:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和3年3月 19 日)」の送付について
◆介護保険最新情報Vol.948:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)
例えば特定処遇改善加算。今回の改定で職場環境の要件が変わりますが、厚労省はキャリアップの支援や多様な働き方の推進、腰痛を含む心身の健康管理、生産性向上を図る業務改善などを、「それぞれ1つ以上行うこと」と改めて説明しました。
また、事業所内の配分を設定するにあたり、「他の介護職員」を設定しないことも想定されると返答されており、経験・技能のある職員及びその他の職種の2職種での配分も可能となっています。
令和 3 年3月 26日に厚生労働省より各自治体に向けて、介護保険最新情報のVol.952を発表し、この中で全127問の問いに返答しています。
今までで一番広範囲にわたるサービスに向けて出されており、全てのサービスに共通する項目では、認知症の理解を深める研修を無資格の介護職にも義務付けることについても、より具体的な考え方を記載しているため、必見です!
例えば、人員配置基準上に従業員数として算定されない従業員は対象外となる旨や、外国人介護職員も対象になる旨等がより具体的に示されています。
問6:人員配置基準上、従業者の員数として算定される従業者以外の者や、直接介護に携わる可能性がない者についても、義務付けの対象となるのか。
答6:人員配置基準上、従業者の員数として算定される従業者以外の者や、直接介護に携わる可能性がない者については、義務付けの対象外である。
問7:外国人介護職員についても、受講が義務づけられるのか。
答7:EPA介護福祉士、在留資格「介護」等の医療・福祉関係の有資格者を除き、従業員の員数として算定される従業者であって直接介護に携わる可能性がある者については、在留資格にかかわらず、義務づけの対象となる。
◆介護保険最新情報Vol.952:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和3年3月 26 日)」の送付について
その他、通所介護や居宅介護支援、ショートステイ、特養、老健、特定施設、グループホームなどの運営基準・加算の見直しについて、それぞれ正式なルールの解釈を詳しく説明しています。
令和 3 年3月 29日に厚生労働省より各自治体に向けて、介護保険最新情報のVol.953を発表し、この中で全38問の問いに返答しています。
訪問系サービスに特化し、特定事業所加算や生活機能向上連携加算、通院等乗降介助、看取り期の“2時間ルール”なども取りあげられています。
問3:勤続年数には産前産後休業や病気休暇の期間は含めないと考えるのか。
答3:産前産後休業や病気休暇のほか、育児・介護休業、母性健康管理措置としての休業を取得した期間は雇用関係が継続していることから、勤続年数に含めることができる。
問 30:認知症高齢者の日常生活自立度の確認方法如何。
答30:
・ 認知症高齢者の日常生活自立度の決定に当たっては、医師の判定結果又は主治医意見書を用いて、居宅サービス計画又は各サービスの計画に記載することとなる。なお、複数の判定結果がある場合には、最も新しい判定を用いる。
・ 医師の判定が無い場合は、「要介護認定等の実施について」に基づき、認定調査員が記入した同通知中「2(4)認定調査員」に規定する「認定調査票」の「認定調査票(基本調査)」7の「認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載を用いるものとする。
・ これらについて、介護支援専門員はサービス担当者会議などを通じて、認知症高齢者の日常生活自立度も含めて情報を共有することとなる。
◆介護保険最新情報Vol.953:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和3年3月 29日)」の送付について
一見特定事業所加算のⅤ以外に関係の無い様に思えるQAですが、重度者要件の中の認知症高齢者の日常生活自立度についても、介護支援専門員が共有し、計画に明記していれば重度者要件の証明になると考えられます。
認知症高齢者の日常生活自立度の証明方法については、個人情報保護の観点から訪問介護では入手することが困難で、ご利用者の自立度の証明が難しいとされてきました。
これからは、計画に明記し、担当者会議の要点などに明記されていれば、重度者要件の確認根拠資料として問題なく提出できるということになります!
また、主治医意見書と認定調査の結果が異なるなんて事も有りましたが、この場合は『主治医意見書』を優先すると捉えることができ、医師の判定が無い場合には認定調査員が記載したものを用いてよいということになっています。
QAを読み解き、また詳しく皆さんにご紹介できればと考えています!