本日は、今回の介護報酬改定で全サービスに義務付けられた業務継続計画(BCP)の策定について解説致します!
令和3年1月18日に決定した介護報酬改定(算定構造)では、基本報酬は1単位から上がる等わずかながら変化を見せ、加算等の新設や廃止も多くみられました。
◆厚生労働省資料:第199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料
また、発表された基本報酬の単位に加え、令和3年9月末までは新型コロナウイルスの対策費として0.1%を基本報酬に上乗せできるとの発表もあり、今回の報酬改定では運営基準も大きく変わる(追加が多い)ことにも注目が集まっています。
今回の介護報酬改定のポイントは大きく分けて5つです。
今回の報酬改訂では、「1. 感染症や災害への対応力強化」について強く言われている形となります。
介護サービスは、利用者の方々やその家族の生活に欠かせないものであり、感染症や自然災害が発生した場合であっても、利用者に対して必要なサービスが安定的・継続的に提供されることが重要であるとされています。
必要なサービスを継続的に提供するためには、また、仮に一時中断した場合であっても早期の業務再開を図るためには、業務継続計画(BCP)の策定が重要であることから、今般、その策定を支援するため、介護施設・事業所における業務継続ガイドライン以下2つが取りまとめられました。
新型コロナウイルスの感染拡大と自然災害の発生に備えるもので、それぞれBCPのひな形が提示されています。
ガイドラインを詳しく解説する動画研修なども行っていくとされ、感染症や自然災害の脅威が増していることを受けて、介護報酬改定ではBCP策定を全事業者に義務付けられました。ただし、相応の準備が必要なことを踏まえ3年間の経過措置を設け、完全義務化は2024年度からとなります。
BCP(ビー・シー・ピー)とは Business Continuity Plan の略称で、業務継続計画などと訳されます。
新型コロナウイルス等感染症や大地震などの災害が発生すると、通常通りに業務を実施することが困難になります。まず、業務を中断させないように準備するとともに、中断した場合でも優先業務を実施するため、あらかじめ検討した方策を計画書としてまとめておくことが重要です。
BCP の特徴として、災害等が発生した後に速やかに復旧させることが重要ですが、その前に「重要な事業を中断させない」という点が挙げられます。内閣府「事業継続ガイドライン-あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-平成 25 年8月改定)」では、以下のとおり定義されています。
BCPの定義
大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)と呼ぶ。
BCP において重要な取組は、例えば、
等があげられます。
今回は、3年後には全サービスに共通で策定が義務付けられるBCPについてご紹介いたしました。
昨今、自然災害が頻繁に起きていることや新型コロナウイルスなど、BCPが注目されておりますので、是非、参考にしてください。