今回は、喀痰吸引等を実施することで算定することの出来る加算についてご紹介をしていきます!
介護保険で取得できる主な加算は以下の通りです。
障害者総合支援法では、喀痰吸引等研修を経て事業所登録を行い、実施することをもって算定できる加算が有るのに対し、介護保険では『実施している体制を評価する』加算の設定であることが大きな特徴です。
①特定事業所加算
対象事業:居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・重度障害者等包括支援
ご利用者の総単位数プラス5%~20%が加算として取得できます。
喀痰吸引等を実施しただけでは算定することはできませんが、算定要件の中に喀痰吸引等が必要な重度のご利用者へサービス提供をしていることを評価する要件が設けられています。
②日常生活継続支援加算
対象事業:介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
日常生活支援加算Ⅰの場合、1日当たり36単位、日常生活継続支援加算Ⅱの場合、1日当たり46単位取得できます。
喀痰吸引等を実施しただけでは算定することはできませんが、算定要件の中に喀痰吸引等が必要な重度のご利用者へサービス提供をしていることを評価する要件が設けられています。
障害者総合支援法で取得できる主な加算は以下の通りです。
特定事業所加算のⅠを取得している場合は喀痰吸引等支援体制加算が算定出来ない等、取得している別加算により算定可否が細かく設定されていることに注意が必要です。
①特定事業所加算
対象事業:居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・重度障害者等包括支援
ご利用者の総単位数プラス5%~20%が加算として取得できます。
喀痰吸引等を実施しただけでは算定することはできませんが、算定要件の中に喀痰吸引等が必要な重度のご利用者へサービス提供をしていることを評価する要件が設けられています。
②喀痰吸引等支援体制加算(単位数:100単位/日)
対象事業:居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・移動支援・日中一時支援
喀痰吸引等が必要な者に対して、登録特定行為事業者(※1)の認定特定行為業務従事者(※2)が、医療機関との連携より喀痰吸引等を行った場合に一日につき所定単位数を加算することができます。ただし、特定事業所加算(Ⅰ)を算定している場合は、算定することが出来ないことに注意が必要です。
③医療連携体制加算(Ⅳ)(単位数:100単位/日)
対象事業:障害福祉サービス(短期入所・生活訓練・就労移行支援・就労継続 A、B・GH)
障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)
喀痰吸引等が必要な者に対して、登録特定行為事業者(※1)の認定特定行為業務従事者(※2)が、医療機関との連携より喀痰吸引等を行った場合に一日につき所定単位数を加算することができます。ただし、以下を算定している場合は、算定することができません。
短期入所
○医療連携体制加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している
○医療型(特定)短期入所サービス費を算定している
生活訓練・就労移行支援・就労継続支援 A 型・B 型・GH(グループホーム)
○医療連携体制加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している
児童発達支援
○医療連携体制加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している
○重症心身障害児に対し指定児童発達支援を行う場合の給付費を算定している
放課後等デイサービス
○医療連携体制加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)
○重症心身障害児に対し指定放課後等デイサービスを行う場合の給付費を算定している
※1:都道府県知事に申請を行い、喀痰吸引等を実施する登録を受けた事業所
都道府県が登録した研修機関にて喀痰吸引等研修を終了し、都道府県知事より認定証が発行された者。
【注 意】
これらの加算を算定しない場合も、生活介護や施設入所支援等の加算がない事業につきましても、介護職員等が喀痰吸引を行う場合、従業者の研修の受講及び都道府県への事業者の登録が必要です。
この研修を受講せずに実施した場合は、医療行為を実施したとして大きな違反事例に該当してしまいます。
喀痰吸引の登録事業者数は、平成31年4月時点で25,274件です。
その内訳は老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業所が17,348件、障害者自立支援法・児童福祉法(障害児)関係の施設・事業所7,523件、生活保護法関係の施設・事業所で5件、その他で398件となっています。
厚生労働省による平成30年度介護給付費等実態統計の事業所数は244,054件となっていますので、平成31年4月時点で存在する介護保険法関係の施設・事業所と比較しても1割にも満たず、喀痰吸引等を実施する事業所が充足しているとは言えない状況です。
喀痰吸引等を実施することにより算定が可能な加算が設定されている背景から、事業所数を増やすことが国の方針であることは明らかです。
また、喀痰吸引等が必要なご利用者は増え、新型コロナウイルスの感染予防の観点から在宅需要は高まっています。