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【2024年改定対応】認知症短期集中リハビリテーション実施加算とは?単位数や算定要件を解説

2024-09-10

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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認知症短期集中リハビリテーション実施加算は認知症の進行を遅らせ、生活の質を向上させるために重要な目的があります。

短期間で集中的にリハビリテーションを行うことで、認知機能の維持や改善を目指すプログラムに対して加算されます。しかし、具体的な単位数や算定要件を正確に理解することが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の概要から、単位数や算定要件の詳細までを分かりやすく解説します。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算とは?

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、認知症を持つ利用者に対して、短期間かつ集中的にリハビリテーションをおこなった際に算定されます。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算を受けるためには、国が定める条件をクリアした上で届出を提出することで、算定が可能になります。介護老人保健施設の場合は、届出は必要ありません。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算の単位数

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は対象サービスによって単位数と算定要件が異なります。以下ではそれぞれの単位数をまとめています。ぜひ、参考にしてみてください。

対象サービス単位数
介護老人保健施設
  • 加算(Ⅰ):240単位/日
  • 加算(Ⅱ):120単位/日
    ※両加算とも週3日を限度とする
通所リハビリテーション
  • 加算(Ⅰ):240単位/日
    週2日を限度とする
  • 加算(Ⅱ):1,920単位/月
訪問リハビリテーション
  • 240単位/日
    ※週2日を限度とする

認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件

【老健】認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件

介護老人保健施設における認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件は以下の通りです。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)

(1)リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が適切に配置されていること。
(2)リハビリテーションを行うに当たり、入所者数が、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の数に対して適切なものであること。
(3)入所者が退所後生活する居宅又は社会福祉施設等を訪問し、当該訪問により把握した生活環境を踏まえたリハビリテーション計画を作成していること。

【認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)】

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の(1)及び(2)に該当するものであること。

引用:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について

注意点として、短期集中リハビリテーション実施加算を算定している場合は、認知症短期集中リハビリテーション実施加算を算定することができません。

【通所リハ】認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件

通所リハビリテーションにおける、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件は以下の通りです。

【認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)】

  • 生活機能の改善が見込まれると判断された利用者に対して、医師などが、集中的なリハビリテーションを個別に実施すること。
  • リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が配置されていること。
  • リハビリテーションをおこなうにあたり、利用者数が、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士の数に対して適切であること。
  • 個別リハビリテーションを20分以上実施すること。
  • 短期集中個別リハビリテーション実施加算、生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定していないこと。

【認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)】

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の算定要件に加えて以下2つの基準のいずれにも適合すること。

  • 月に4回以上リハビリテーションを実施すること。
  • 利用者の居宅を訪問、生活環境の把握、応用動作能力等の評価等をおこなうこと。
  • リハビリテーションの実施頻度、実施場所及び実施時間等が記載された通所リハビリテーション計画を作成すること。

【訪問リハ】認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件

訪問リハビリテーションにおける、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件は以下の通りです。

認知症であると医師が判断した者であって、リハビリテーションによって生活機能の改善が見込まれると判断された者に対して、医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が、その退院(所)日又は訪問開始日から3月以内の期間に、リハビリテーションを集中的に行うこと。

引用:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について

認知症短期集中リハビリテーション実施加算についてのよくある質問

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は算定要件などで、質問が多く挙がります。以下では、よくある質問について詳しく解説をしています。ぜひ、参考にしてみてください。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できる?

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は併せて算定することはできません。

認知症短期集中リハビリテーションは中核症状及びBPSDの改善に効果的?

公益社団法人全国老人保健施設協会では、平成18年より創設された「認知症短期集中リハビリテーション」の効果を検証されていました。
研究の結果は極めて有効とされていて臨床的認知症重症度の進行予防、心の健康維持を通じてADLの改善が認められています。
この結果は厚生労働大臣の呼びかけで始まった「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告においても、認知症に対する認知症短期集中リハビリテーションが中核症状やBPSDの改善にも有効とされています。

まとめ:認知症短期集中リハビリテーション実施加算を活用しよう

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は算定要件はハードルも高くなく、加算が取得しやすいことが特徴です。

認知症は特に高齢化が進むにつれて、利用者数が増えていくことが見込まれています。事業所にとっても加算が取りやすい介護報酬はとっておくことで、介護士の給与や事業所にいい影響を与えることが可能です。ぜひ、取得できる環境にあれば、この記事を参考にしていただければ幸いです。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
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