準ユニットケア加算とは、介護施設が利用者に対するプライバシー保護や、個別ケアの提供を推進するための加算です。準ユニットケア加算を算定することで、施設の収益が向上するだけでなく、入所者の満足度も向上します。準ユニットケア加算について要件など詳しく知りたい介護施設管理者も多いのではないでしょうか。
この記事では、準ユニットケア加算の算定要件や単位数についてわかりやすく解説します。
目次
準ユニットケア加算とは、利用者一人ひとりに対する個別のケアを強化し、生活の質の向上を目的とした加算です。介護施設がユニットケアの考え方を取り入れたケアを提供する施設が算定できます。
ここでは、準ユニットケア加算の算定要件や単位数について解説します。
準ユニットケア加算の算定要件は、以下の通りです。
準ユニットケア加算の算定要件
- 12人を標準とする準ユニットにおいてケアを行うこと
- プライバシーの確保に配慮した個室的なしつらえを整備し、準ユニットごとに利用できる共同生活室を設けていること
- 日中は準ユニット毎に常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置すること
- 夜間及び深夜において、2準ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を夜間及び深夜の勤務に従事すること
- 準ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置すること
プライバシーの確保に配慮した個室的なしつらえについて、視線が遮断されることを前提としていますが、家具やカーテンによる仕切りは不可とされています。また、一人当たりの面積基準は設けられていませんが、多床室全体として一人当たりの面積基準を満たしていることが求められます。
準ユニットケア加算の単位数は1日5単位です。各要介護度に応じた介護報酬に上乗せする形で算定します。
準ユニットケア加算の対象施設は、介護老人福祉施設のみです。厚生労働省の資料「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」によると、令和元年10月時点での準ユニットケア加算取得率は、広域型と地域密着型を合わせて0.54%でした。このデータから、介護老人福祉施設の中でも質の高いケアをおこなっている一部の施設が算定できる加算であると言えます。
準ユニットケア加算の算定については、個室的なしつらえに関する細かい条件について注意する必要があります。ここでは、準ユニットケア加算に対するQ&Aの中から重要なものについて解説します。
介護老人福祉施設の準ユニットを構成する多床室のうち、一つでも個室的なしつらえがない場合は、準ユニットケア加算は算定できません。準ユニットケア加算を算定するためには、ユニットケアに当たる多床室全てに個室的なしつらえを整備している必要があります。
準ユニットケア加算を算定する場合の個室的なしつらえには、必ずしも窓が必要とされていません。窓が必要ないため、室内に仕切りを設置してプライバシーの空間を確保することも可能です。
室内空間に個室的なしつらえを作る場合、廊下や窓からの光を取り入れづらくなります。そのため、採光に配慮して、すりガラス等のあかり窓を設置することは可能です。ただし、プライバシー保護の観点から、視線の遮断が確保されている構造になっているか確認しましょう。
準ユニットケア加算を算定する場合、複数の算定要件を満たす必要があります。その中でも特に注意しなければいけない点が、個室的なしつらえの条件です。
入所者のプライバシー保護と快適な生活環境を提供するため、ユニットケアに含まれる全ての多床室は個室的なしつらえを設置する必要があります。準ユニットケア加算を算定する際には、ユニットケアの居室が条件を満たす個室的なしつらえになっているか確認しましょう。