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認知症の介護度は?認定の基準や認知症の方が使えるサービスについて解説!

2023-04-21

認知症の介護度は自立度や主治医の意見書、介護認定審査会によって決定されます。

介護度がどのような基準で決められるのかをみていきましょう。

あわせて認知症の方が利用できる認知症対応型通所介護と認知症対応型共同生活介護についても、概要や費用を詳しく解説します。

認知症の介護度は?

介護度は認知症であるというだけで決まるのではなく、自立の度合いや認知症の症状への対応がどの程度必要であるかによって決定します。

介護度の区分は、要支援が1と2の2段階、要介護が1から5の5段階です。

数字が大きいほど介護が必要で、認定された介護度によって使用できるサービスや介護保険の限度額が異なります。

全国で統一した基準で介護認定を行うために行われているのが、コンピューターによる一次判定と、介護認定審査会による二次判定です。

一次判定では、認知症の行動・心理症状(BPSD)や食事、排泄などの項目について介護にかかる時間を算定し、介護度が判定されます。

要介護認定の基準時間は以下の通りです。

区分

要介護認定等基準時間

非該当

25分未満

要支援1

25分以上32分未満

要支援2・要介護1

32分以上50分未満

要介護2

50分以上70分未満

要介護3

70分以上90分未満

要介護4

90分以上110分未満

要介護5

110分以上

参考:厚生労働省

もちろん基準時間のみではなく、主治医の意見書や介護認定審査会による二次判定を経て介護度は決定していきます。

認知症以外の症状によっても介護度は変わる

認知症の方の介護度は、認知症以外の症状によっても異なります。

生活の自立度や暴力などの精神状況、身体疾患などの状況は個人差が大きい部分です。

認知症高齢者は一人ひとり状態が大きく異なるため、具体的な介護度の区分について、詳しい基準を知りたい場合は市町村の窓口やケアマネージャーに相談してみましょう。

また、認知症の方の生活がどの程度自立しているかを分類する認知症高齢者の日常生活自立度という基準もあります。

認知症高齢者の日常生活自立度はIからMまでの段階に分けられ、要介護認定の判断の基準にもなっています。

ランクと判定基準、それぞれの状態で見られる症状や行動は以下の通りです。

ランク

判定基準

見られる症状・行動の例

認知症を有するが、日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立している。

日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。

Ⅱa

家庭外で上記Ⅱの状態が見られる。

たびたび道に迷う、買い物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つなど

Ⅱb

家庭内でも上記Ⅱの状態が見られる。

服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応などひとりで留守番ができないなど

日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。

着替え、食事、排便・排尿が上手にできない・時間がかかる、やたらに物

を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為など

Ⅲa

日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる。

Ⅲb

夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。

日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。

M

著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。

せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態など

参考:厚生労働省

以上のように介護度は認知症の診断だけを根拠にするのではなく、自立度などの状況が総合的に判断されます。

もし介護度の認定に関して疑問や不満がある場合は、ケアマネージャーや市町村の窓口に相談しましょう。

認知症の人のみが利用できる介護サービスとは?

認知症の人のみが利用できる介護サービスには以下の2種類があります。

・認知症対応型通所介護

・認知症対応型共同生活介護どちらも認知症以外の方も利用できるサービスと比べると、より認知症の方の生活に寄り添うことのできる支援です。

それぞれについて詳しく説明します。

認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護とは認知症の方が対象の通所型サービスで、食事の提供、排泄や入浴介助、機能訓練やレクリエーションなどを行います。

利用者が自立した生活を送り、社会的孤立感の解消や心身の機能維持、家族の負担軽減を図ることが目的です。

通常のデイサービスと異なり、利用者は認知症の方に限定されています。

利用者の定員は12人以下と少人数であり、介護スタッフによる手厚い支援が期待できるでしょう。

参考:厚生労働省

①認知症対応型通所介護の利用条件

認知症対応型通所介護を利用するには以下の条件を全て満たす必要があります。

  • 認知症と診断されている
  • 要介護1以上の認定を受けている
  • 利用する事業者と同一の市区町村に住んでいる

ただし要支援1・2の方は介護予防認知症対応型通所介護の利用が可能です。

認知症対応型通所介護は地域密着型サービスであるため、原則として住んでいる市区町村内の事業所のみ利用できることになっています。

参考:厚生労働省

②認知症対応型通所介護の費用

認知症対応型通所介護の事業所には単独型・併設型・共用型の3種類があり、費用はそれぞれのタイプで異なります。

  • 単独型:特別養護老人ホームや病院などに併設されておらず、単独で運営されている事業所
  • 併設型:特別養護 老人ホームや病院などに併設されている事業所 
  • 共用型:グループホームなどの食堂や共同生活室を使用して運営されている事業所 

事業所のタイプ別の介護認定区分ごとの利用者負担は以下の通りです。

介護認定

利用者負担(7時間以上8時間未満の場合/1割/1回につき)

単独型

併設型

共用型

要支援1

852円

769円

482円

要支援2

952円

859円

510円

要介護1

985円

889円

520円

要介護2

1,092円

984円

539円

要介護3

1,199円

1,081円

557円

要介護4

1,307円

1,177円

575円

要介護5

1,414円

1,272円

595円

参考:厚生労働省

一定以上所得者の場合は自己負担が2割または3割となり、地域や利用施設の各種加算状況によって異なる場合もあります。

また、食費・おむつ代などの日常生活費は、別途負担が必要です。

より正確な金額を知りたい場合は、利用を希望する施設やケアマネージャーにお問い合わせください。

認知症対応型共同生活介護

認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)とは、認知症の方が共同住居で自立した日常生活を過ごせるようにするサービスです。

5〜9人の少人数で家庭的な雰囲気のなかで入浴や食事、洗濯などの日常生活上の世話と機能訓練が行われます。

介護スタッフとともに、利用者の能力を生かしてその人らしい毎日が過ごせるように支援することが目的です。

参考:厚生労働省

①認知症対応型共同生活介護の入所条件

認知症対応型共同生活介護を利用するためには以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 認知症の診断を受けている
  • 要介護1以上に認定されている
  • 身の周りのことが自分でできる
  • 利用する事業者と同一の市区町村に住んでいる

なお、認知症と診断されている要支援2の方は「介護予防認知症対応型共同生活介護」のサービスが受けられます。

要支援1の方は認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護のどちらも利用できません。

参考:厚生労働省

②認知症対応型共同生活介護の費用

認知症対応型共同生活介護の自己負担額は以下の通りです。

1事業所で2つ以上の共同生活住居を運営している場合は、料金が12〜14円安くなります。

介護度

利用者負担(1割/1日につき)

共同生活住居が1つ

共同生活住居が2つ

要支援2

755円

743円

要介護1

759円

747円

要介護2

795円

782円

要介護3

818円

806円

要介護4

835円

822円

要介護5

852円

838円

参考:厚生労働省

なお、食材料費・理美容代・おむつ代などの日常生活費は別途負担する必要があり、家賃なども合わせると月10〜20万円ほどかかります。

通所介護と同様に、一定以上所得者の場合は自己負担が2割または3割となり、地域や利用施設の各種加算状況によって異なる場合があります。

より正確な金額を知りたい場合は、利用を希望する施設やケアマネージャーにお問い合わせください。

まとめ

認知症の介護度が決定するための基準や、認知症の方が利用できる介護サービスをご紹介しました。

介護度の判定や施設の利用料金などは、高齢者の状況や事業所により異なる場合もあります。

不安や疑問があれば、担当のケアマネージャーや市町村の窓口の方に相談しましょう。

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