訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 事業運営
  3. 運営指導(実地指導)
  4. 2025年度の運営指導の傾向➀(指導事例)

2025年度の運営指導の傾向➀(指導事例)

投稿日: 2026-03-12

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

続きを読む

日々の業務、お疲れ様です。本日は、令和7年度に全国からご相談頂いた運営指導の内容より、令和8年度に注意いただきたいことを共有していきます!

以下のリンクに厚生労働省の「介護保険施設等運営指導マニュアル」を掲載しておりますので、参考にしてください。

参考:介護保険施設等運営指導マニュアルについて

ただし、このマニュアルの別添には介護報酬に関する事項が書かれておらず、よく皆様から「このマニュアルに加算の事は書かれていないから見られないですよね?」とお問い合わせいただきますが、介護報酬についても、加算の要件、減算に該当しないかも確認があります。

この部分に特に注意して、日ごろから適正な運営を行っていきましょう。

 

1. 令和7年度の指導の傾向

弊社にご相談頂いた運営指導データを分析すると、令和7年度の運営指導には大きく3つの明確な傾向が見られます。

1.

「PC画面・システム」の直接確認の増加紙に印刷した書類だけでなく、「介護ソフト(PCやタブレット)の画面をそのまま見せてください」と求められるケースが急増しています。修正履歴や入力日時まで確認されるため、事後的な帳尻合わせは通用しなくなっています。


2.

「委員会の実施記録」=「減算」に直結するシビアな判断虐待防止や身体拘束適正化の委員会について、「集まって話し合いはしたが、議事録を残していなかった」という事業所が、その場で「未実施=減算対象」と判断された事例が発生しています。証拠(エビデンス)主義がより徹底されています。


3.

指導時間の短縮と「重点チェック」指導自体は2〜3時間で終わるケースが増えていますが、これは行政側が事前提出データ等で「見るべきポイント」を絞り込んでいるためです。特に加算要件や勤怠の整合性など、数字が絡む部分が重点的に狙われます。

 

2. 具体的な指摘と対策

ここからは、実際にご相談頂いた「リアルな指摘事例」と、どうすれば指摘を受けなかったのか、その「対応策」を書類ごとに解説します。

◆計画書について

 【事例】

  1. 計画書の「説明日」や「同意日」が抜けている(複数件)。
  2. サ責の氏名が記載されていない。
  3. サービス内容について、「身体〇分、生活〇分」「曜日」などの詳細な内訳記載がない。

(※逆に高評価だった事例として、利用者の言葉を用いて計画書の目標を毎回しっかり更新していた事業所は、行政担当者から「ここまでやっている事業所はない」と褒められています。)

【対応】

計画書は作成して終わりではなく、利用者へ説明し、同意を得ることが重要です。
日付やサインの抜け漏れがないか、提供するサービス内容と時間がアセスメント・ケアプランと一致しているかを確認しましょう。

◆モニタリングについて

 【事例】

  1. モニタリングの「説明日」の記載が漏れている。
  2. モニタリングの実施時期を事業所として明確に定めていない(「適宜」ではなく、3ヶ月ごと等、明確な時期を定めるよう助言あり)。

【対応】

モニタリングシートにも必ず「説明日」を記載する欄を設け、漏れなく記入してください。また、利用者の状態に変化がなくても「変化がないと判断した理由(例:いつも通り食事を全量摂取し、バイタルも安定している等)」を記録に残すことが重要です。

◆アセスメントについて

 【事例】

  1. 1年以上アセスメント情報が更新されておらず、古いままになっている。
  2. 計画書や実績で「入浴介助」や「就寝介助」等の身体介護を行っているのに、アセスメント上にその必要性(なぜその介助が必要なのか)が記載されておらず、「必要性が確認できなければ自主返還が必要」と厳しく指摘された。

【対応】

アセスメントはすべてのサービスの根拠(スタート地点)です。利用者の状態変化があった時はもちろん、定期的な更新を怠らないでください。特に、身体介護を算定する場合は、アセスメント内に必ず「その介助が必要な身体的理由」を明記する必要があります。

◆介護記録について

 【事例】

  1. 外出介助(通院等)の記録において、「車で移動したのか、電車か、徒歩か」といった具体的な移動手段の記載がない。
  2. 利用者本人がサインできず家族が代筆している場合、「誰が代筆したか(利用者との続柄)」が書かれていない。
  3. 計画の時間と、実際の内容や請求時間(実績記録表)に齟齬がある。

【対応】

介護ソフトや記録用紙の備考欄(特記事項)を活用し、サービス中の具体的な様子や手段を記載するようヘルパーに周知してください。代筆の場合は必ず「代筆者氏名・続柄」をセットで記載するルールを徹底しましょう。

◆特定事業所加算留意事項伝達・指示報告について

 【事例】

  1. サ責からの指示に対して、ヘルパーからの報告が入っていない。入っていても指示に対し報告が連動しておらず矛盾している。
  2. 報告の文章が「いつも通り」「特変なし」といった定型文ばかりになっている。
  3. システムの操作ミスでサービス内容と異なる報告が1件あっただけで、行政から「普段から定型文で適当に処理しているのでは?」と疑われ、厳しく追及された。
  4. 介護システム自体に必要な項目がない。
  5. 介護システム上で指示した時間、報告した時間が分からない。

【対応】

特定事業所加算において、行政が最も目を光らせているのが「指示と報告の個別性」です。単なる業務連絡ではなく、「今日の〇〇さんの体調を踏まえ、××に注意して介助してください」という具体的な指示と、それに対するヘルパーからの個別具体的な報告をセットで残す運用を徹底してください。
また、介護システムから抽出される書類についても指摘が入っています。

◆その他加算、減算について

 【事例】

  1. 通院介助の減算:病院での「診察の待ち時間」は算定外であるが、それを含めて請求してしまっており、過去に遡って全額返還(減算)となった。
  2. 委員会の未実施(減算):虐待防止委員会の会議自体は行っていたが、その「根拠書面(議事録)」が残っていなかったため、未実施とみなされ減算の対象となった。

【対応】

算定要件(特に通院介助の院内ルール)は、非常に複雑ですが「知らなかった」では済まされず、算定することができない部分については返還に直結します。
また、義務化された委員会や研修については、「やったつもり」は絶対に通用しません。「開催日時・参加者名(サイン)・議事録(話し合った内容)」の3点セットを必ずファイリングし、いつでも出せる状態にしておきましょう。

 

さいごに

令和7年度の運営指導は、ルールの形骸化を許さず「実態とエビデンス」を厳しく問うものになっています。日々の記録業務は大変ですが、確実な書類整備が事業所とスタッフを守る最大の防御となります。ぜひ本記事を参考に、社内の自己点検を進めてみてください。

 

【無料ダウンロード】運営指導について詳しく知る!!

運営指導に向けて事前に確認しておきたいポイントをわかりやすくまとめました。
運営指導に不安がある方はぜひご利用ください。
詳しく見る