この記事では、 訪問介護を閉める際、廃業するか承継するかについてご紹介をします。
目次
一般的に法人解散に必要な書類としては、主に以下のような書類が挙げられます。
申請書
解散の理由書
社員総会(評議員会)議事録
理事会議事録
議決時点の財産目録・貸借対照表
残余財産の処分に関する事項を記載した書類
残余財産を他に帰属させるときは、相手方の同意書
社員及び役員の名簿
社員全員の印鑑登録証明書
清算人の履歴書・就任承諾書・印鑑登録証
法人履歴事項証明書
法人印鑑登録証
直近の決算書(決算から6か月が経過している場合は、試算表も添付)
現定款・寄附行為
原本証明
廃業手続きは廃業届などの必要書類や費用を準備することから始まります。
これらは専門的な要素が多く、書類作成の段階で膨大な作業が発生するため、清算などの手続きを弁護士や税理士などに代行してもらうのが一般的です。
清算後は残った資産が債権者に分配され、解散・清算確定申告や清算決算報告書の承認を得て、廃業手続きは終了となります。
廃業手続きは関係者各所への連絡や対応が発生し、複数の債務者とのやり取りは精神的に大きな負担がかかるものです。
廃業をトラブルなく無事に終わらせるためには、士業専門家を厳選することがとても大事になります。
また、同時に指定申請を廃止させる手続きや、介護・福祉業界ならではの手続きにも専門的な方の知識が必要になります。
廃業を選ぶメリットとしては以下のような点があります。
①代表者だけ退任を選びやすい。
②自身で見つけた引継ぎ先に引き継ぐことができる。(友人や近所等含む)
廃業を選ぶ場合、デメリットも多く十分に検討される必要があります。
①法人解散を行うための費用が20~30万円かかる。(補填する現金を準備する必要がある)
②ご利用者、従業員引継ぎ後の契約保証がない。
③完全な廃止(廃業)に至るまでの時間が読めない。
④必要に応じて専門家を探して依頼しなければいけない。
⑤法人解散手続きや最後のご挨拶に集中できる環境ではない。
一方で事業承継という選択をした場合のメリットとしては以下が考えられます。
①代表者が続けるか、辞めるかを選ぶことができる。
②譲渡後のご利用者、従業員の契約トラブルを減らせる。
③法人解散手続きや、最後のご挨拶に時間を割くことができる。
④譲渡対価が支払われる。
またデメリットとしては以下のような点が考えられます。
①金融機関や仲介業者に依頼するケースが多く仲介料金がかかる。
②譲渡先は仲介業者が選定した法人に限られる。(数社の中からは自分で選べる)
訪問介護事業所の閉鎖を検討する際の手段として、廃業、承継には様々なメリットとデメリットがあります。
従業員の雇用やご利用者のサービスの利用が継続していけるよう選択肢を選べるように情報を収集していくことが大切になってきます。信頼のできる相談相手を早期から確保しておくことをお勧めします。