この記事では、 訪問介護事業所の廃業・譲渡の主な理由についてご紹介をします。
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介護保険制度がスタートした時に介護事業を起業した当時40代50代の経営者の方々が、60代を超えてきています。経営者の平均引退年齢は68歳といわれており、経営者がその年齢に近い事業所は少なくありません。健康上の理由や気力の減衰によって廃業や譲渡を検討し始めます。
また介護の大変な仕事を継がせたくない、あるいは継ぎたくないというような声も聞こえてきます。
全産業の中で圧倒的に新規・有効求人数が多く、3.6社に対し1人の求職者しかいない状況です。
全産業を見ても有効求人倍率は1%台にとどまっており、失業率を上回る介護サービスの3%代は異常とも言え、特に居宅系サービスの求職者に絞ればより求人倍率は高くなり、今後も人材不足が解消される見込みは立っていません。
人手不足が売り上げに直結するのが訪問介護です。コロナ禍による経営疲れも相まってM&Aについて調べられたり、専門家へ相談される方も増加しています。
上記のような理由から不採算事業を売却することを検討される方もいらっしゃいます。
訪問介護の事業者では、資本を多く持ち合わせていない場合が多く、不採算事業を抱えることは経営悪化へと繋がるため廃業・譲渡を検討されます。
また数自体は少ないですが40代50代の訪問介護経営者の中には近年話題になっているFIRE・早期リタイアを検討される方もいらっしゃるようです。
廃業か譲渡を考えるために、まずは自事業所の客観的な価値を正しく知ることから始めることをおすすめします。
訪問介護の場合上記のような理由においてほとんどのケースで、引き継ぎ手が見つかります。これまでは『利用者と職員を他事業所に口利きをして振る』という手法が選ばれてきましたが、トラブル回避のためや、事業所と利用者、経営者と従業員で契約が結ばれていることと同様に事業の引継ぎにおいても書面による契約取り交わしが必要と捉えられるようになってきています。
コロナ禍も相まって介護の業界の倒産件数も最多を更新しており、出口戦略としても事業承継を考えなくてはならなくなってきています。経営者にとってはもちろん、ご利用者や従業員、取引先や地域にとってのよりよいカタチとなるように長期的に計画立てて検討していくことが重要です。
また譲渡を検討される場合、まずは自事業所の価値を正しく把握し、その価値を理解してもらえる買手を見つけることも大切になります。介護業界について理解があり同じ価値観で話せる仲介会社を探されることをお勧めします。