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介護保険最新情報 Vol.1006 新ケアプラン検証について

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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本記事では
介護保険最新情報、Vol.1006「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第十三条第十八号の三に規定する厚生労働大臣が定める基準」の告示及び適用についてご紹介していきます。

介護保険最新情報:vol.1006「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第十三条第十八号の三に規定する厚生労働大臣が定める基準」の告示及び適用について(通知)

介護保険最新情報vol.1006 新たなケアプラン検証とは

令和3年10月開始 新たなケアプラン検証

10月から始まる新たなケアプランの検証の仕組みについて、対象範囲を定める基準が14日に告示されました。

自治体などによるケアプランの点検・検証の対象となる居宅介護支援事業所の基準は、「区分支給限度額の7割以上」かつ「利用サービスのうち、訪問介護の割合が6割以上」であることを厚生労働省が説明しています。

今回告示されたのは具体的なルールで、以下のケアプランを作っている事業所をターゲットとしていく方針が、正式に決められたことになり、適用は来月1日からとなります。

ケアプラン検証とは

平成30年の介護報酬改定において、訪問介護における生活援助中心型サービスについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、通常の利用状況からかけ離れた利用回数となっているケアプランについて、市町村への届出を義務付け、そのケアプランについて、市町村が地域ケア会議の開催等により検討を行うこととされています。

生活援助中心型サービスについては、利用者において様々な事情を抱える場合もあることを踏まえて、利用者の自立支援にとって、より良いサービスとするため、介護支援専門員の視点だけではなく、多職種協働による検討を行い、必要に応じて、ケアプランの内容の再検討を促すこととなりました。

これまでのケアプラン検証と新たなケアプラン検証

運営基準

これまでのケアプラン検証

これまで届出の対象となっていた訪問介護の種類は、生活援助中心サービスであり、届出の要否の基準となる回数は、要介護度別の全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)の回数を算出したうえで、要介護度別に最大値となる月の回数を用い、要介護状態区分に応じてそれぞれ1月あたり以下の回数とされています。

要介護1:27回

要介護2:34回

要介護3:43回

要介護4:38回

要介護5:31回

新たなケアプラン検証

これまでの生活援助の回数が多いケアプランの届出義務に加え、以下に該当するケアプランの届出が義務化されます。

ケアマネ事業所ごとに見て、
①区分支給限度基準額の利用割合が7割以上
かつ
②その利用サービスの6割以上が訪問介護サービス

市町村からの求めがあった場合には、当該指定居宅介護支援事業所の居宅サービス計画の利用の妥当性
を検討し、当該居宅サービス計画に訪問介護が必要な理由等を記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならないとされています。

厚労省発:居宅介護支援事業所単位で抽出するケアプラン検証について(報告)

訪問介護事業が備えなければいけないこと

これらケアプラン検証の背景には、本当に必要なサービスが要介護者に提供されているか、利益のために不必要なサービスを提供していないか等、過剰サービスの提供を未然に防ぐという『ケアプランの適正化』が隠れています。

定められた回数を超えて提供が必要なサービスは、ケアマネージャーが行政に届出を行い『本当に必要か』を多職種が集まる『地域ケア会議』で検証することが義務付けられていますから、ケアマネージャーの多くは『回数を超えない様にケアプランを作る』『超えた分は障がいやホームヘルプサービス』で補う等、届出をしなくて済む工夫を行っているのが現状です。

訪問介護事業が備えなければならないのは、『自社ケアマネに頼らず売上を確保する』ことと、『必要だと言う根拠のないサービスを提供しない』ということの2点です。

さいごに

科学的介護やケアプラン検証等、介護業界は『介護報酬を適正に取り扱う』ことをどんどんと進めています。

『質の良い介護サービスを、効率的に必要な分だけ提供する』ということを今から考えていかなければ、あっと言う間に売り上げをあげる事が難しくなってきます。

この様な背景の中、特定事業所加算の取得は必須だと言えるでしょう。