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2019年の介護報酬改定の改定内容を徹底解説!

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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今回は、2019年度の介護報酬改定でどのようなことが変わったのか、介護報酬改定とは何か、詳しい改定内容について解説していきます。

介護報酬改定とは

介護報酬改定は、3年に1度定期的に行われるものです。

介護報酬の改定を行う目的としては、以下のようになります。

・物価や賃金動向を踏まえて介護報酬を調整する
・介護事業所や施設の経営状況を安定させる
・介護現場の課題を解決し、介護の質を向上させる

2019年の介護報酬改定では、特に「介護職員の処遇改善」と「消費税が10%へ引き上げられたことによる介護報酬の見直し」が主な内容です。

引用:厚生労働省

このように、社会情勢に変化があっても、介護事業所や施設の運営が継続していけるように3年に1度介護報酬の改定が行われます。

介護報酬改定についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
介護報酬改定を徹底解説!2021年/2022年/2024年の改定内容は?介護業界の流れを捉える!

介護報酬改定 2019の主な4つの改定内容

2019年の介護報酬改定での改定内容は主に4つあります。

  • 介護職員の処遇改善について
  • 消費税引き上げに対しての介護報酬に係る所得税の扱いについて
  • 区分支給基準限度額の引き上げについて
  • 低所得者の食費や居住費の負担軽減について

上記についての詳細を解説していきます。

①新しい経済政策パッケージに基づく介護職員の処遇改善

2019年の介護職員の処遇改善の目的は、知識や技能のある介護職員の処遇改善に重きを置きながら、介護職全体の処遇改善を推進していくことです。

引用:厚生労働省

勤続年数10年以上の介護福祉士について、他産業と変わらない賃金水準になるよう処遇改善を進めています。

それを実現させるために、勤続10年以上の介護福祉士に対して、月額8万円程度の処遇を改善していくことをもとに、国から1000億円を負担して処遇改善を行っていくと示されました。

また、知識や技術のある介護職員はその他の介護職員の2倍以上の賃金にすることなども、改定内容の中に盛り込まれています。

2019年度介護報酬改定での介護職員処遇改善についての詳細は、以下をご確認ください。

参考:厚生労働省

②消費税率引上げにあわせた介護報酬等に係る消費税の取扱い

消費税引上げにともなって、介護報酬の基本報酬も消費税負担分が8%から10%に引き上げられました。

引用:厚生労働省

基本報酬とは、サービスの質に関係なく定められた報酬のことです。

介護報酬はこの基本報酬を基盤に、一定の条件を満たした事業所に対して加算がとれるようになっています。

この加算報酬も、課税費用の割合が高いものについては、上乗せを行うことになりました。

また、介護保険サービスによっては費用のかかる、食費や居住費についても消費税引き上げ分の負担の上乗せを行うことになっています。

「消費税引き上げに合わせた介護報酬などに係る消費税の取扱い」の詳細を知りたい方は、以下をご確認ください。

参考:厚生労働省

③区分⽀給限度基準額の引き上げ

介護が必要な人の状況に応じて、適正な介護サービスが利用できるよう、区分支給限度基準額も引き上げられます。

区分支給限度基準額とは、利用者が介護報酬を1割~3割負担で支払いができる限度額です。通常は単位数で示され、1単位10円~11.4円で計算されます。

今回の改定では、消費税の引き上げにより、介護報酬が上がります。

そのため、今までと同じ区分支給限度基準額では、介護サービスを削らなくてはいけない人も出てくるでしょう。

区分支給限度額基準額の引き上げは、介護報酬が上がっても介護サービスを必要とする人が必要な分のサービスを受けられるように、改定がなされたとの理解ができます。

厚生労働省の文面にも「在宅サービスについて、利用者の状況に応じた適正なサービスを提供する観点から、必要な居宅介護サービスのモデルを用いて、要介護度毎に区分支給限度基準額を設定」という文言が書かれています。

区分支給限度基準額の引き上げ額については、以下をご参照ください。

参考:厚生労働省

④低所得者の食費・居住費の負担軽減

低所得者の方が、食費や居住費の負担が大きくて入居困難にならないように、申請すると一定の限度額までの支払いだけが自己負担となり、基準費用額の差額分は介護保険から給付されるというものです。

対象者としては、利用者負担段階の第1段階から第3段階の人となります。

費用

月ごとの負担額

食費

300円~650円

居住費

370円~1310円

段階によって、負担限度額は異なりますが、食費は300円/月から650円/月、居住費は居住タイプによって分かれており、370円/月から1310円/月での利用が可能です。

これ以上かかった分の費用は、介護保険から給付されます。

利用者負担段階や基準費用額など、詳細について知りたい方は以下をご確認ください。

参考:厚生労働省

2021年と2022年の介護報酬改定

2021年と2022年の介護報酬改定に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
2021年介護報酬改定の総まとめ!これさえ見れば間違いない!!
【令和4年度】2022年の介護報酬改定について徹底解説!改訂内容とは?

まとめ

今回は、2019年の介護報酬改定について、解説してきました。

介護報酬改定は、社会情勢に合わせて報酬額などを見直すために3年ごとに行われます。

そのため、今後もその時々に合わせて、介護報酬が改定されていきます。

改定前後では、介護報酬改定の情報を敏感に察知していき、少しずつ準備していくといいでしょう。