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特定処遇改善加算とは?支払い方や配分は?算定要件は?【介護保険】

この記事では、介護保険における介護職員等 特定処遇改善加算についてわかりやすくご紹介していきます。

介護職員等特定処遇改善加算は、処遇系加算の1つであり、その配分のルールが難しく介護職員等特定処遇改善加算加算の取得を見合わせている法人が多いことが課題として挙げられます。介護職員等特定処遇改善加算は物価の変動に合わせて創設されているという背景から、この加算の取得は不可欠だと言えます。

また、令和3年(2021年)の介護報酬改定で1部改定があり、配分方法が少し変わり運用しやすくなっています。

本日は、そんな介護職員等特定処遇改善加算の配分ルールをはじめ、算定する際に気を付けるべきポイントを分かりやすく解説してまいります。

 

介護職員等特定処遇改善加算とは 加算率は?

介護職員等特定処遇改善加算は、処遇系加算全3種の中の1つである加算です。

介護職員等特定処遇改善加算は、令和元年10月より創設されています。

経験・技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員の更なる処遇改善という趣旨を損なわない程度において、一定程度他の職種の処遇改善も行うことができる柔軟な運用が可能であるということが特徴的な加算です。

介護職員等特定処遇改善加算の算定率は?

取得状況をみると、創設当時は半数程度だった算定率は現在70%に届こうとしています。

処遇系の加算は、物価の変動に併せて創設がされ続けており、取得を行う事で他の産業と差が大きくならないようにという目的をもって存在している加算です。

このことから、取得がない事業所については『求人票に並んだ時に他の同業と比べて低くなる』だけでなく『他の産業と比べても低くなる』ということを知っていないといけません。

障害者総合支援法の特定処遇改善加算

障害者総合支援法でも同様の加算が準備されており、算定要件は同じです。

算定していない法人の多くが『配分方法が難しい』『配分方法が分からない』といった、配分方法のルールが難しく算定を見合わせているということになっていますが、1度理解できればそこまで難しいものでは有りません。

障害者総合支援法の支援を併設している場合は、ぜひ併せて取得を行いましょう。

介護職員等 特定処遇改善加算の算定要件


【支払い対象者】以下の3つ

①経験・技能のある介護職員②その他の介護職員③その他の職種に配分

【算定要件】以下の要件をすべて満たす

※介護福祉士の配置割合等に応じて、加算率を二段階に設定。

処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
②処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
③処遇改善加算に基づく取組について、ホームページ掲載等を通じた見える化を行っていること

※加算率の高い特定処遇改善加算 Ⅰ を取得するには、特定事業所加算の取得が必要です。

【特定事業所加算についてはこちら】特定事業所加算とは?

【支払い方法】

介護職員特定処遇改善加算には、対象となる職員に対し『配分ルールを守った配分』を実施する必要があります。

配分対象と配分方法

支払いの対象者と配分方法を下記の通りに定めます。

①賃金改善の対象となるグループ分けの方法

経験・技能のある介護職員とは何か?という具体的な設定行った上で、介護サービス事業所等に従事する全ての職員を以下の3グループに割り振ります。

a 経験・技能のある介護職員
介護福祉士であって、経験・技能を有する介護職員と認められる者をいう。具体的には、介護福祉士の資格を有するとともに、所属する法人等における勤続年数 10 年以上の介護職員を基本としつつ、他の
法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業者の裁量で設定することとする。

※必ずしも介護福祉士かつ勤続年数 10 年以上の介護職員と設定する必要はありません。

b 他の介護職員
a以外の経験・技能のある介護職員を除く介護職員

c その他の職種
ab以外かつ、介護職員以外の従業員

特定事業所加算

②事業所における配分方法

上記3グループの平均賃金改善額等については、以下の通りとなっています。

【aの職員グループ】

①経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善に要する費用の見込額が月額平均8万円以上又は賃金改善後の賃金の見込額が年額 440 万円以上であること。

②bグループの平均よりaグループの平均が高いこと。

上記を満たすことが困難な場合、例外的に管轄行政に相談を行う事で解決が図れる可能性があります。

困難な場合とは?
①小規模事業所等で加算額全体が少額である場合
②職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合
③8万円等の賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力や処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合

【bの職員グループ】

①bグループの平均改善見込み額がcグループの平均改善見込額の2倍以上であること。

例えば、cグループの平均改善見込み額を10,000円とした場合は、bグループの平均改善見込み額は20,000円以上でなければいけません。

【cグループ】

①その他の職種の賃金改善後の賃金の見込額が年額 440 万円を上回らないこと(賃金改善前の賃金がすでに年額 440 万円を上回る場合には、cグループに入ることはできず当該職員は特定加算による賃金改善の対象としてはいけません)。

算定要件を満たすためには?

①処遇改善加算Ⅰ~Ⅲを取得する

処遇改善加算を取得する必要があります。

【処遇改善加算について知りたい方はこちら】処遇改善加算とは?制度の作り方は?算定要件は?

②処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること

処遇改善加算は『全体の中から1つ』を満たす必要がありますが、介護職員等特定処遇改善加算は『全6つの各項目から1つ以上実施』することが必要になります。


③処遇改善加算に基づく取組について、ホームページ掲載等を通じた見える化を行っていること

②で行う取り組みを、ホームページ上等で広く見えるように公表しておくことが必要です。

④特定処遇改善加算 Ⅰ を取得する場合

特定事業所加算のⅠかⅡを取得している必要があります。

【特定事業所加算についてはこちら】特定事業所加算とは?

支払いが認められている項目は

【賃金改善とみなすことができるもの】

基本給のベースアップ、定期昇給、処遇改善手当、賞与、一時金、賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分 等なお、基本給による賃金改善が望ましいとされています。

【賃金改善とみなすことができないもの】

福利厚生費、退職手当、職員の増員、交通費、通信費、研修費、資格取得費用(テキスト購入等)、健康診断費、予防接種費用、慰安旅行の費用負担、図書カード・商品券・ポイントカード等の支給、物品購入費用、講習会受講料、住居手当等

また、手当として支払う場合には福利厚生の意味を持つ手当は賃金改善とみなされませんので、名称にも注意しましょう。

【役員について】

給与ではなく役員報酬のみを支給されている場合は加算対象となりませんが、当該役員が介護職員としての勤務実態があり、その労働の対価として支給されている金銭が給与の性質を有している場合は、加算対象となります。

令和3年(2021年)介護報酬改定項目 Q&A

令和3年(2021年)に介護報酬改定が実施されました。

令和3年(2021年)改定事項

改定事項1:配分ルールの見直し

平均賃金改善額について「a経験・技能のある介護職員」は、「bその他の介護職員」と比較し「2倍以上」から「より高くする」ことに変更。

改定事項2:見える化要件

令和4年度から必須事項となっており、ホームページ等への掲載が必須の要件となっている。

令和3年(2021年)追加Q&A

Q:「b他の介護職員」を設定せず、「a経験・技能のある介護職員」と「cその他の職種」のみの設定をするのは可能か?

A:可能。この場合は「a経験・技能のある介護職員」の平均賃金改善額が、「cその他の職種」の平均賃金改善額の2倍より高いことが必要。

まとめ

令和4年10月現在、処遇改善加算の算定率は100%に近づき、介護職員等特定処遇改善加算は70%に近い事業所が算定をしています。

取得を見合わせる殆どの法人が配分方法のルールが複雑で分からないことが理由だとしていますが、1度理解すれば配分方法のルールは難しくありません。

雇用される求職者にとっても、『処遇改善』という言葉がニュース等で聞きなれた言葉となってきているという事があり、同じ仕事を行うのであれば給与の高い、手当が充実している『処遇改善加算を取得している』会社を選ぶということも現実に起きています。

処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算の3つは積極的に取得していくことが大切です。

 

 

 

 

 

処遇改善加算 2022年10月介護職員等ベースアップ等支援加算についてはこちら

特定処遇改善加算以外の処遇系加算については以下を参考にしてください。

2022年10月より開始となる介護職員等ベースアップ等支援加算についての情報は特に確認が必要です。

【処遇改善加算について知りたい方はこちら】

処遇改善加算とは?制度の作り方は?算定要件は?

【QA】

賃金改善方法編 キャリアパス要件編  職場環境要件編

【2022年介護職員等ベースアップ等支援加算について知りたい方はこちら】

2022年介護職員等ベースアップ等支援加算とは?

【厚労省のホームページはこちら:特定処遇改善加算以外の加算情報も有】

福祉・介護職員の処遇改善

 

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